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僕がにでた理由
Yoshihiko Kato

 

 僕がこの旅を計画しているときに影響を受けたものの中に、沢木耕太郎さんの深夜特急という小説があります。その中で「誰にでもできるようなおよそ酔狂なことをやってみたかたった」という内容の一節があるのですが、おそらく僕のこの旅も誰にでもできるような、でもまっとうな人ならまずやらないそんなばかげた旅だと思います。

 僕は元々ミュージシャンで一応CDとか出していたりするのですが、いろいろなことがあって音楽活動が出来ない状況に追い込まれてしまいました。その時僕はたくさんの人を恨んだり生きる希望すら失いかけたこともあったのですが、いままで音楽しかやってこなかった僕が、あえて一旦音楽から離れいろいろなことをして行くうちに、すべてはみんなちっぽけなことにしかすぎないんだなってある日そんな気持ちになれたんです。

 こうしなくてはいけないとか、こうであるべきといういわゆる価値観は人の数だけあると思うのですが、本当はそんなものなかったりするのかなと思えてきて、僕はもっともっと今の自分がちっぽけに感じられるようなそんな旅がしたくなりました。

 しかし世界一周をしよう!と思いたってみたものの、僕には語学力がありません。英語もおそらく中学1年生レベルでしょう。(苦笑)言葉も通じない、知り合いもいないそんな所で果たしてちゃんと生きて行けるのかといった不安はありました。でも何もしないうちから臆病になる前にまずは1歩足を踏み出してみようと、僕は今悪戦苦闘しながらも旅を続けております。ただ僕には歌を歌うといったことができたので、これをきっかけにコミニュケーションをとってゆこうとギター1本持って旅にでました。

 世界のあちこちのストリートですれ違う人達に向かって歌を歌っているうちに、いつかまだ見ぬ自分に出会うことができたら…..そんな淡い期待を抱いています。

 例え何1つ見つけることができなくてもいい。傷ついてボロボロになるだけでもいい。ただ僕は自分の意思とこの足で歩いているそんな手応えが欲しいのかもしれません。

 この旅が終わるとき僕がどんな思いに辿り着くかはわかりませんが、僕は1歩1歩この足で世界を旅してみようと思っております。

 

               2000131日  加藤 吉彦