旅日記38  アメリカ(USA)編vol.1
「LAとえば…?」

5月3日〜7日

 朝方までクライストチャーチの空港で寝袋をしいて眠り5時50分の便でシドニーに飛 ぶ。3時間あまりのフライトの後、さらに7時間の待ち時間があり、それから14時間か けてアメリカ合衆国のロサンゼルス国際空港へと到着する。

 入国審査も簡単に終って空港の外に出てきた。すると乗合のシャトルバスがあったので ハリウッド行きというのに他の乗客4人と一緒に乗る。

 40分程してハリウッドのユースの前で降ろしてもらう。しかし車内に乗合8$とあっ たので払おうとすると運転手は20$だと言う。

 乗合8$だとあるじゃないかと言うと、お前は1人だろう、だから20$だと言い返し てきた。  少し前で降りた乗客は8$払って降りたはずだし、まだ車には他に2人乗っている。そんなはずはないと押し問答を続けるが頑として聞き入れない。ひょっとしたらこちらが間 違っているのかもしれないと、長時間の移動の疲れもあって20$払ってしまった。

 気になって後でいろんな人に聞いてみたが、やはり通常は8$位らしい。日本人だとこ んな所でも騙されるのだろうか。よりによって金の無い自分からボラなくてもと思う。

 ユースにとりあえず2泊ということでチェックインする。1泊15$、税込み約1600円。アメリカでは十数パーセントの消費税がかかるらしい。全体の物価ももちろん高く やはりここは長期旅行者泣かせの国だ。

 この日はとりあえずユースの目の前にあるチャ―ニーズシアターを眺めて、後はひたす らメインストリートであるハリウッドブルーバード沿いにはめ込まれたスターの手形、ハ リウッドフェムを探しまわって1日が終った。

 夜は時差が日本からマイナス17時間、ニュージーランドからは20時間もある為なか なか寝つけなかったが、それでも深夜2時過ぎには寝る事ができた。

 翌日は朝8時に起きてハリウッドサインを見に行く。よく絵ハガキやTVに出てくる白いHOLLYWOODと山に文字が刻まれているアレである。  歩いて行ったせいかかなり遠く往復で2時間以上かかった。しかしとりあえずハリウッ ドに今自分はいるのだという実感が少しわいたような気がする。

   その後バスに乗りビバリーヒルズに行く。映画にでてきた市庁舎やショッピングストリ ートであるロデオドライブ、北の丘の方に向かって続く高級住宅街など一通り見て回る。  さすが金持ちの住む町だけあってハリウッドとは雰囲気が違ったが、どうもあまり落ち 着かない。結局センチュリーシティーのスーパーで買い物だけして帰ってくる。

   翌日ハリウッドのユースをチェックアウトしてバスでサンタモニカへと向かう。  どうもハリウッドという町も、ユース自体もなんだかかみ合わない。そこにいた人、も ちろん日本人も多くいたが話があわず、従業員もユース内の自販機を使うから両替してく れと言ってもノーと言われるし、設備もかなり悪い。安いからしかたないのかもしれない が、ここにこれ以上いる意味はないような気がして出てきてしまった。

 30分移動してサンタモニカのユースにチェックインする。ここは設備もハリウッドと は違いすばらしい。しかしその分料金も高く1泊22$、約2400円。しかしここはのんびりとした穏やかな海沿いの町で住みやすそうだ。治安も良く夜でも歩ける。たまたま 夕食を作っているときに話しかけた日本の3人組みの人達と、一緒に夕食後もいろんな話 をして盛りあがり、一緒に海にでてみようと砂浜を歩くが深夜2時を回っていてもまった く問題なかった。

 翌日朝食も昨夜の人達と食堂で顔を合わせる。そのうちの1人で年齢もさほど離れてい ない橋口さんと一緒にダウンタウンへバスで行く。今日特に予定がないとのことでご一緒 したのだが、今回こそ短期旅行だが、以前中国に留学していたり、東南アジアやヨーロッ パを2ヶ月程旅してまわったりしたらしく話がはずむ。ここに来て初めて話が合った人か もしれない。

 図書館のインターネットサービスからメールを友人に送った後、西海岸随一という現代 美術館、MOCAへ行く。入場料が6$だったが、いろんな建築物の模型やCGを見たりし てなかなか楽しめた。その後リトル東京で橋口さんと一緒に日本食のランチを取る。これで1人6.5$。約700円。さすがに高い。しかし橋口さんにおごっていただいた生ビー ルがめちゃウマだった。

 すでに時間は4時近かったが、短期旅行者の橋口さんの為にと地下鉄に乗りハリウッド に移動する。バスの半分の速さで移動できる上、値段は同じ、治安も問題なさそうだった。  ハリウッドサインとウォークオブフェイムを見たあと、チャイニーズシアターで写真を撮る。僕が行った時には気付かなかったのだが、ここにも有名人の手形と足型、そしてサインがあるらしく観光客まる出しで手形と足型に自分のものを合わせて写真を撮る。後で見たら赤面ものかもしれないと思いつつ、勢いでやってしまった。ちなみにこのときの手形はトムクルーズだった。

 さらに翌日は、また橋口さんと一緒に古着やファッションで有名なメルローズへ行く。 橋口さんが両替をしたいと一緒にモニカをさまようが、日曜日で銀行がどこもしまってい た為、結局空港までバスで移動することになり、メルロ―ズに着いたのは3時半頃だった。

 フリーマーケットや古着屋などあちこち見て歩いた後2人でお茶を飲んだ。橋口さんも結構買い物をしていたが、自分も1着気に入った服があり買ってしまう。これが10$約 1100円。

 日が暮れてきたのでメルロ―ズを出てバス停に向かう。時計を見ると7時を少しまわっ ていた。しかし風邪をひいたらしく体調がどうも良くない。

 スーパーで買い物をした後、サンタモニカのバス停に着いたのが夜の8時。ここから後 はモニカ行きのバス停に乗るだけなのだが、バス停で僕達が待っているのにもかかわらず バスが停車せず行ってしまった。

 道路が工事中だったからだと思い、道端にしゃがんで次のバスを待つがいくらまっても こない。気付けばあれから1時間。すでに時計は9時20分を回っていた。

 さっきのが終バスだったのかもしれないと、あきらめてタクシーを探しかけた時バスが やってくる。運転手の話だと今は工事でバス停がなく、信号ごとに停車しているとのこと。そんなの地元の人間以外わからないじゃないかと思いつつ、1時間もバスがなぜこなかっ たのかは不明のままだった。

 橋口さんが明日日本に戻るとのことで、最後の晩餐をするが、どうも体調がかなり悪い。 本当なら明日ラスベガスに向かう予定だったが、これではもう1泊ここで滞在した方がい いかもしれない。でもモニカの宿は高いのでとりあえず今夜は早めに寝て明朝様子を見る ことにする。

 しかしLAに来てからどうも自分の居場所を見つけられなかったが、橋口さんのおかげでサンタモニカという町が好きになれそうだ。ただ海風のせいなのか時期的なものかはわ からなかったが、サンタモニカは寒かった。きっと友人にこの町の印象を聞かれたら、迷 わず「寒い所」そう答えるかもしれないと、橋口さんと話しがらそんな事をぼんやりと考えていた。  

 

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