旅日記47 メキシコ編
「心地良きカリブの潮風よ」 |
6月5日〜7日 朝起きるとまずはセントロ(ダウンタウン)をぶらつき、あちこちの宿を聴いてまわる。前日泊ったホテルは、1泊30$で僕には高すぎたので、他の安宿を探す必要があった。 裏通りのヤクシュラン通りに入ると、エアコンでなくファンだったが、1泊18$という所を見つけた。これでも高かったが、他に適当な宿が見つからなかったこともあり、ここにする。 中を見せてもらうと、広いダブルベットが2つ、ホットシャワーにトイレもついていて、これでも充分豪華すぎるくらいだ。スペイン語しか通じないのは、正直痛かったが、これで18$なら文句は無い。 宿に戻って荷物をまとめ、チェックアウトして新しい宿に移動する。そして荷物を置いてから街をぶらつくことにした。 スーパーでパンを買い食いしたり、タコスの屋台で食べたりしているうちに、あっという間に夕方になった。 インターネットカフェが何件かあったが、1件郵便局の近くの所が、親切で1時間2$だったので、そこで1時間利用する。日本語もダウンロードしてきて読めるようにしたのだが、なかなか速度が早やく10分程で使えるようになった。ニューヨークだったら10分で2$だ。 夜になってまたタコス屋を何件か食べ歩く。だいたい1個5ペソ、約50円位。挽肉やらあぶったトルコでいうケバブのような羊肉を、トウモロコシで作った皮、トルティージャに包んで食べるのがタコスだ。そしてその中にタマネギやニンニク、トマト、香草を挟んで、ライムをぎゅっとしぼって食べると、まさに天国!とめちゃ美味だった。 またこのタコスがセルベッサ(ビール)と最高にマッチングしていて、これを食べてるだけで幸せだ。ビールも1杯1$位。こんなに良い所はタイ以来かもしれない。 翌日は朝からチチェンイツァというマヤ文明の遺跡に行く。 前日、旅行代理店で申し込んだのだが、ホテルへのピックアップ、遺跡への往復のバス代、英語ガイト、ビュッフェランチがついて、ディスカウントして35$だった。 ジャングルの中にあるこの遺跡は、中々良い雰囲気で、エルカスティージョという世界で3番目に大きなピラミッドにも、痛む足を押して登ってみる。 階段は結構急だったが、多少幅があるのと、アンコールワットという比較対象があったので、楽に登って降りてこられた。 そしてこれからランチの待つホテルへと向かうところで、ものすごいスコールに見舞われる。 はじめ木陰で雨宿りしていたが、あまり意味がなかったので、濡れながらホテルへひた走った。しかし着いた頃には、パンツまでビショビショ。思わずマイクロバスで裸になった、オーストラリアのエアーズロックを思い出す。 ランチはなかなか美味しく、その後バスに3時間程乗って街まで帰ってきた。 街で降ろしてもらった場所が、昨日予約した代理店の前で、昨日のおじさんがどうだった?と聴いてきたので、よかったよと返すと、明日はどうすると言っている。 そうだな、トゥルムは扱っている?と聞くと、45$だと言う。 それは高い、30$に負けてというと40$になった。そして粘っているうちに35$までになったので、それで手を打つ。 別れ際にかなり渋い顔をしていたので、本当にぎりぎりのラインだったのかもしれない。 この日もネットカフェに寄って、タコスを食べて寝た。
翌朝、目覚めて時計を見ると7時半。ピックアップの時間が7時15分だったので、慌てて集合場所へ走る。駄目かもしれないと思いつつも、行ってみるとまだ待っていてくれた。 ゴメンねとあやまると、大丈夫と笑っていた。毎日タコスを食べているうちに、僕もメキシコ人化してきたのかもしれない。でも何故目覚し時計が鳴らなかったのだろう。 この日はカリブ海沿岸にそびえ立つマヤ文明の遺跡、トゥルムに向かう。 まだ一度もカリブの海を見ていないしと、この遺跡を選んだのだが、来てみると想像していたよりもずっと美しい遺跡だ。 規模はそれ程大きくないのだが、目の前180度に真っ青なカリブの海が広がり、ひっとそりと潮風に撫でられるように立つトゥルムは、ただただ美しかった。 またすぐ下が、砂浜のビーチになっていて皆泳いでいる。僕も水着に着替えて飛び込んだ。気持ちいい。できることならここで1日ボーっとしていたい。 午後1時、集合時間になったのでバスに戻り、今度はシェルハというトゥルムから10分位の海洋公園に行く。 ここではシュノーケリングしたり、イルカと一緒に泳いだりできるのだが、それは別料金で予算オーバーとなる為、魚にえさをやったり、一緒に泳いだりするだけで我慢する。 街へ帰ってきて、またタコス屋でビールを飲みながら1杯やっていると、店員が顔ををおぼえてくれたらしく、タコスを1個サービスしてくれた。 最初メキシコは、少し危なげな印象すら持っていた。だが美しい遺跡と美味しい料理、安い物価に人も良く、僕にとっては最高の国だ。 とくに前のアメリカがトラブルの連続だったこともあり、よけいこの町が良く思え好きなった。 もう少しこの町にいたい気もするが、明日はいよいよ南米に移動することになっている。南米も気をつけなくてはいけない場所だが、なんだが良い事がありそうな予感がする。 本当にそうだったらいいなと、少し興奮気味に、メキシコ最後の夜は静かに暮れていった。
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