旅日記80 インド編Vol.2
 「インドカレーをべよう(笑)」

 8月27日ー29日

 朝7時に僕達を乗せたバスは、アウランガーバードへと到着する。そこからオート3輪のタクシー、オートリクシャーに乗って、駅前のホテルで降り、ツインルームにチェックインする

部屋代は150ルピー、375円だったが、ここまでのリクシャ代20ルピー、50円(かなりボラれていると思うが、青木君がいいというので乗った)を出してくれ、しかも今晩の夜行列車で彼はムンバイに戻るというので、僕が100ルピー、彼が50ルピーを払うことに

昨夜の夜行バスでは、夜中2時過ぎまでインド映画のビデオを、車内でものすごい大音量 と共に上映しており、また僕を中国人と思ったのか、後ろの席のインド人がちょっかいを出してきて、僕が寝ていると、クスクス笑いながら頭をパンパンとたたいて起こすので、あまりよく眠れなかった。ちなみにこざっぱりした格好の青木君は被害無し。どういうことだこれは?  部屋に荷物をおろした後、エローラ行きのバス乗り場まで2人で歩く。途中地元の人達で賑わう食堂、、、といってもボロのほったて小屋だが、その食堂があったので、カレーに漬けたジャガイモを油で揚げたものを、カレーの汁と一緒に食べる軽食?を皆食べていたので、あれと同じやつくださいと注文し、いただく。これが3ルピー、7.5円。その後、チャイというインドの甘いミルクティーを飲んだ。これが1.5ルピー、2.8円

ローカルバス乗り場からエローラ行きのバスに乗る。これが1人12ルピー、30円

40分程走っただろうか、バスはエローラへ到着。そしてそこから1番近い、第16窟のカイラーサナータ寺院へ入ってみることにする

これはエローラの石窟寺院の中でも、最も有名かつ、壮大なもので、世界遺産にも指定されている。他の石窟寺院が無料なのに対し、これだけが5ルピー、12.5円と有料なのも、いかにこの第16窟が、エローラの中でも特別 な存在なのかが分かる

 しかし中に入ると、思った程観光客の姿はなく、それよりもインド人が圧倒的に多いのが意外だ。あちこちかなり痛んではいるものの、これが本当に1枚の岩だったのかと思うほど、繊細な彫刻の数々。そして外に出て岩山に登り、上からカイラーサナータを見下ろすとまさに圧巻で、よくこんなものを彫刻という手法で作ったなと感動させられる

またここから見たデカン高原の地平線は、雨季のためか、一面の緑で覆われており美しい

さあ16窟も見たことだしと、僕的にはもう充分で、いつ帰ってもよいという感じだったが、まだ来て30分しかたっておらず、青木君がせっかく来たんだし全部見たいというので、第一窟から第34窟まで歩いて見て回る

1ー12窟は仏教、13−29窟はヒンドゥー教、30−34窟がジャイナ教と、作られた時代の当時主流だった宗教により、それぞれに特色がある

それ程広くはないが、それでも途中滝などの景色や、牛、水牛、ヤギ、猿などの野良者達?と出会いながら、ゆっくり2時間程見て回った

 帰路は乗合いのオートリクシャーにすし詰めになって帰る。これも1人12ルピー、30円

アウランガーバードに戻り、宿から歩いて15分程行ったところのターリー屋で、遅めの昼食をとる。ターリーというのは、インドのカレーのわんこみたいなもので、金属の大きな皿に、ご飯やらチャパティーと数種類のカレー、ヨーグルトなどが盛り付けられており、食べてる途中から途中から、次々とまたつぎ足され、もうお腹いっぱいと言うまで、延々とおかわりをつがれてしまう。これは主に南や西インドの食べ物で、一般 的にはベジタリアンターリーが主流らしく、僕達が食べたものもそれだった

しかしこれがめちゃウマで、ガツガツとむさぼるように食べてしまう。これで50ルピー、約125円。それとインド版飲むヨーグルトの、ラッシーを頼む。これが12ルピー、30円。そしてコーラが1本、12ルピー、30円

東京で同じものを食べたら、2000円位すぐいってしまい、しかもこんなにうまいかどうかわからない

至福の時の後、宿に戻り、僕は昼寝することにした。青木君は市街を見てくると出て行く

夕食時になり、青木君がうかない顔で戻ってきた。どうやらリクシャーともめたらしい。行きたくないところに連れていかれた挙句、法外な値段をふっかけられたそうだ。結局は、最初交渉した値段だけ払って逃げてきたらしいが、インドではこんなトラブルはごく当たり前。日常茶飯事だ

夕食はホテルでチキンカレーとライスを食べた。これとコーラで60ルピー、150円

青木君の列車の時間が近づいたので、アドレスを交換し、駅へと見送りに行く。彼はもう使わないからと、列車の時刻表やら、蚊取り線香やら、日本の100円ショップで買ったという盗難防止のチェーンロックやらを餞別 として置いていってくれた

明後日帰国とのことだったが、最後まで大きなトラブルなしに帰ってくれればよいがと、別 れを告げ、手を振った

翌日は1日のんびり過ごす。この後ハードな移動が続くので、ここでしっかり体を休めておこうと思ったからだ。この日にやったことといえば、片道1時間歩いて、銀行に両替に行ったことと、列車の予約を入れに駅に切符を買いにいったことくらい

昼はまた昨日のターリー屋で舌鼓を打ち、近くのインターネットカフェに寄って帰ってきた。ネットカフェが1時間40ルピー、約100円

それとこの後移動の寝台列車で、盗難防止に必要と、荷物を固定しておくチェーンと鍵を2組づつ買う。青木君も1つ置いていってくれたが、僕にはギターもあるので、荷物の数だけ用意しておくことに。それぞれ1つ10ルピー、4つで40ルピー、100円

そしてこの頃には、インド式の紙を使わないトイレにも慣れてきた。トイレには小さなプラスチックの杓子のようなカップがおいてあり、用を足した後、それに水を汲んで、勢いよくお尻を洗浄する。しかしこれが最初なかなか難しく、思ったところに水があたらない。当然下半身はびしょぬ れになってしまうため、トイレに行くときは下は真っ裸。まるで子供のようだ

しかもインドにきてからというもの、日本にいた時の同じ量づつ、1日5、6回はウンコが出るので、いちいち高いトイレットペーパを買っていたらキリがない。それにしても自分の体のどこに、これだけのウンコが詰まっていたのだろうと思う程

きっと僕達が毎日食べているものの中には、増えるワカメならぬ、凝縮ウンコの素が入っていて、何らかの目的で、インド政府は、国民をウンコ製造機にしているのではないかと思わずバカなことを考えてしまう。でもその場合、税金はウンコで納めて、国民の負担は少なくてすむが、それをどうやって役所にもってくのだろうとか、それを管理する役人はくさくて大変だなとか、でもそんなに大量 のウンコをいったい何に使うというんだろうとか、さらにばかばかしいことを思いめぐらす。暑さでとうとう頭がおかしくなってしまったのかもしれない

 アウランガーバード3日目は、曲作りにはげむ。本当は壁画で有名なアジャンタに行こうかと思っていたのだが、エジプトで書いたメロディがあり、なんだか今日はよい詞が書けそうな気がしたので、書き始めると、3時間程で、1曲書き上げることができた。甘いバラードでなかなかの出来。1日ギター片手に口ずさんでいたが、思わず自分でも聞きほれてしまうほど。またナルシストと言われてしまいそうだが、しかしその詞と、下半身まっ裸でトイレに行く現実とのギャップに、1人苦笑いする場面 も。そんなこんなでこの日も1日暮れて行く

 それでもこの町はこじんまりとしていて、ゆっくりとくつろげ、自分的にはなかなかよい町だった

明日には南にくらべ、貧しく観光客慣れしていてスレていると、出会った旅人が皆口をそろえて言う北インドへ向かって移動だ。

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