旅日記19  ケニア編 Vol.1  「ジャンボ!フリカ」

 

223日(晴)

 

 ホテルで朝食を済ませ、シャワーを浴びて荷物をまとめる。今日から34日のサファリツアーを現地の旅行代理店に頼んであるので、ドライバーが迎えにくる時間が近づいたのでホテルをチェックアウトしロビーで待つ。しかしいくら待ってもこない。

 結局30分近く遅れてドライバーがやって来た。まあアフリカだからしかたないかと笑って済ませる。

 サファリツアーは2ヶ月以上前から手配をお願いしてあり、一緒に回るパートナーを探してもらっていた。しかしドライバーに聞いてみると結局誰も同じ日程の人がいなくてあなたと私だけとのこと。

 旅行代理店の人からサファリでは、チップが車一台につき115~20US$と聞いていたので、パートナーがいないとそれをシェアすることができずに全額僕が支払わなくてはいけない。

 アフリカは治安が悪いのであまり現金を持ってきておらず、弱ったなあと思いつつ近くにCITIBANKがあると言うので、とりあえずそこに寄ってもらうことにした。

 銀行に着きATMを探すが見当たらないので受け付けに聞いてみる。すると奥のカウンターでしか引き出す方法が無いとの事。しかたなくカウンターで手続きをするが、今サーバがダウンしているのでしばらくお待ちくださいとのこと。

 30分程待つがいっこうに復旧の見通しが立たないのと、ドライバーもこれ以上待てないと言うのでそのまま出てきてしまった。

 とりあえずケニアにいる間の現金はなんとかなるが、この後タンザニアにまったく現金を持たずに行くことになってしまう。僕が困っているとドライバーが昨日の旅行代理店まで乗せて行ってくれた。

 今回例のTCの盗難の件ですでに入金済みだった南アフリカ行きジンバブエ航空のエアチケットをキャンセルしてあり、それを振り込みの形で僕の口座に戻してもらう手はずになっているのを、無理を承知でなんとかキャッシュで払い戻しできないか聞いてみる。

 すると今返答はできかねるがその方向進めてくれるとの事。よろしくお願いしてドライバーが待っている車へと走って戻り、一路本日の目的地ナクル湖を目指す。

 

 ドライバーの名前はピタさんと言った。彼にも昨日貰ったハッピーコインをプレゼントする。当然のことながら彼は日本語ができないので、ひたすらつたない英語でコミニュケーションをとるが、彼は良い人で僕の語学力のレベルに合わせてわかりやすいようにガイドしてくれた。

 

3時間程走って車はナクル湖付近の町、ナクルのペンションに到着する。チェックインした後荷物を降ろしまずは念入りに蚊帳のチェックをする。するとやはりあちこち穴があいていたのでまたガムテープでペタペタと修復作業を行う。

 遅めの昼食を済ませ、虫除けスプレーを体にたっぷりとかけて僕達はナクル湖に向かった。5分も走らないうちにナクル湖国立公園のゲートに到着する。

 

 はじめ僕はナクル湖というのは、ただ湖があってそのまわりにいる鳥とかを見るのかと思っていたら、かなり規模の大きなサファリらしく湖に集まってくる動物も沢山いるとのこと。

 ゲートをくぐってまもなく、インパラやガゼル、ウォーターバックと言った草食動物達が群れをなして出迎えてくれた。またサイやバッファロー、シマウマ達も頻繁に顔を出す。

 

 レオパード、日本でいうところの豹がここにはいるとのことだったが、注意して木の上を見ながら走るがこの日はついに見ることができなかった。ただ豹が食べ残したと思われるシマウマの死骸が木の上に生々しく残っていた。

 時折ヒヒやモンキーの家族もひょうきんに顔を出す。しかし草食動物の死骸はあちこちで見かけたが、それを食べたと思われる肉食獣たちの姿はどこにも無かった。

 

 しばらく走ると湖のほとりに出た。話に聞いていた通りフラミンゴやペリカンの群れが悠々と泳いでいる。窓を開けていたせいか砂埃が入ってきて苦しかったが少し感動する。その後車は山道を走り続けて丘の上見晴らし台のようなところへ出た。

 すごい。ここからならナクル湖全体が一望できる。近くに行くと濁っていた水もここから見ると光輝いていて本当に綺麗だった。

 ふと足元を見るとすぐ目の前にイワハイラックスがこちらを見てキョトンとしていた。

 

 日が暮れてきたのでペンションに戻り食事にする。ここでの食事は味つけが濃く、肉とかもドカッと出てきてヘビーだ。半分も食べられぬまま食事を終える。

 客が僕1人しかいなかったので、アフリカンのウェイターやウェイトレスが集まってきて僕に質問を浴びせ掛ける。

 何処から来たのか、ケニアは初めてか、仕事は何をしている、いくつだ、動物は何を見たなどと矢のような質問攻めだ。こっちの英語力などお構いなしで僕も少し面倒になり、23歳の学生で今は春休みで、今度就職するんだと適当な答えを返すといちいちおおっと大げさなリアクションが帰ってくる。君はすごく若い、休みにわざわざケニアにくるなんて何と素晴らしいんだろうといった具合だ。

 しかし全部嘘だとわかったら彼等はどんな顔をするかと想像したが、いまさら本当のことは切り出せなかった。

 部屋に戻って蚊取り線香をたきベットに潜り込む。ここはエアコンどころかファンもなく、水道の蛇口をひねっても水さえでてこなかったが、疲れていたせいかすぐに眠ってしまった。

 

 

 

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