旅日記48  チリ編vol.1
「南米ラウンドまる」

 

6月8日〜10日

メキシコのカンクンのホテルをチェックアウトし、外に出ると1台のタクシーが通りかかり声をかけてきた。

空港までと値段交渉をすると、7$までさがったので、それでOKする。行きのバスで9$だったので、まあこんな所かなと思う。

空港で4時間程時間をつぶしていると、新婚旅行の城井さん夫婦に出会う。

一昨日偶然、チチェンイツァーのバスで一緒になって以来、昨日のシェルハ、そして今日と偶然が3日重なっており、これも何かの縁ですねと名刺をいただき、自分もアドレスを紙に書いて渡した。

城井さんは、映画製作会社で働いているとかで、有名になったらウチの映画に出てくださいねと言われるが、こんな時はなんて返事するのだろうとまごつき、とりあえずええと笑って返しておく。

マイアミでトランジットし、そこで3時間待った後、南米チリのサンチャゴ行きの飛行機に乗り換える。

それから8時間半程かけて、僕達を乗せた飛行機はサンチアゴ国際空港へと到着した。しかしここで手痛いミスをする。

カンクンは30度を超す熱帯で、僕はTシャツに短パン、サンダルという格好で過ごしており、そのまま飛行機に乗ったのだが、チリは南半球にあり今は冬なのだ。南米というと暑いイメージがあるが、ここは夜や朝方などは4ー6度位まで冷え込む程。まわりの人は、皆ジャケットなどを着ており完全に冬服だ。

明らかに場違いの格好をした僕は、イミグレでも、バケージの受け取りでも、超がつくほど浮きまくっていた。

早く着替えたいと、自分のバックパックが出てくるのを待つが、ギターはでてきたものの、バックがなかなかこない。

まさか、、、アメリカン航空に3回乗って3回連続か?と不安になる。そしてまた1人、また1人と人はどんどんと減ってゆき、とうとう僕1人となり、ベルトコンベアも止まってしまった。

ああ、、、最悪。このロストエアラインめ!と怒鳴って、係員に、バックが出てこないんだけどと言うと、あれかとある方向を指差す。

その方向を恐る恐る見てみると、、、あった、僕のバックパックだ。どうやら誰かが間違えてコンベアから降ろしてしまい、そのままにしておいたらしい。ロストじゃなくてよかったと、とりあえずホッとする。

そしてすぐその場で、寒いーと足踏みをしながら冬服に着替えた。係員達が皆笑っている。うるさい、ここがこんなに寒いって知らなかったんだよ!と心の中で呟きながら、笑って返しておく。

空港の外に出ると、乗合ワゴンでセントロ(ダウンタウン)まで移動する。これで7$、ちょっと高い。そして1件の小さなホテルのシングルルームにチェックインする。7000ペソを6500ペソにまけてもらう。日本円で約1300円。

部屋に荷物を置き、日本にいたときにメールでやりとりをしていた旅行代理店、三谷トラベルに地下鉄に乗って行く。

途中道に迷って人に聞くが、ここはスペイン語オンリーの国らしく、全くといっていいほど英語が通じない。困った時のジェスチャー頼みで、なんとか代理店まで来ることができた。

それというのも皆が親切で、親身になって話の通じない外人(僕のこと)の世話をやいてくれ、一緒に駅まで歩いてくれたりもした。田舎ならまだしも、ここはかなりの都会にもかかわらず、この親切さには正直驚いた。

代理店では、南米ラウンドのハイライトとなる、イースター島とマチュピチュへの航空券を手配してもらう。しかしなかなか良い条件のチケットがなく、当初の予定よりも2万円オーバーで購入することになった。イースター島往復、約690$、クスコ往復、約350$。

発券まで少し時間があったので、インターネットカフェを探して時間をつぶす。1時間3$で日本語も読むことができた。

翌朝、起きるとすぐに街をぶらついてみる。アルマス広場やサンタルチアの丘などへ行った後、中央市場へやって来た。

ちょうど昼時だったので、地元で美味しいと評判のシーフードレストランに入る。チリは海沿いに長い国で、海産物が美味しいらしく、ボリュームたっぷりと言われるウニをぜひ食べてみようと思ったからだった。

値段は1000円とちょっと高めだったが、アリソ(ウニ)と言って出されたものは、うそ!、なにこれ、ぎゃあーやめてえー!という程てんこ盛りのウニが、これでもかと皿にのってテーブルに置かれる。

さあ来ましたウニさんですよおと、喜び勇んで口に入れる。と、、、、ぐふっ、まずい。

確かに見た目は間違いなくウニなのだが、妙に水っぽくしかもとんでもなく生臭い。一緒に出された香草とタマネギをどかっと乗せて、キッコーマンの醤油をかけて、やっとなんとか食べられるものの、こんなに沢山どうしろというのか。

かなり無理をして半分まで食べたが、気持ち悪くなってきたのでここでギブアップ。なんだもうおしまいかと言われるが、これ以上食べたら黄色いものが口から溢れ出しそうだ。

実物を見せてくれるというのでウェーターについて行くと、なんとハンドボールくらいの大きさのウニ。あれだけの量が、実は1匹分だったらしい。どうやら日本のウニとは種類が違うようだ。

やはりウニは北海道産に限るね、と日本語で話すと、ウェイターがきょとんとしていた。

すっかり気持ち悪くなったので、口直しにとマクドナルドへ入る。ポテトとコーラを頼んだのだが、ポテトのソースがケチャップの他に、アボガドという緑のやつある。

食べてみると、、、食べなきゃよかったという味だった。今日は玉砕続きだ。

その後街をぶらついていると、1件眼鏡屋を見つけた。グランドキャニオンでレンズを割って以来、壊れたままだったなと中に入って値段を聞いてみる。

スペイン語オンリーなので、相変わらず何を言っちゃってるんだろうとさっぱりだったが、それでも何とか身振り手振りで話をまとめる。

その結果、フレームはそのままで、両眼のレンズを交換して約2000円と言う。めちゃめちゃ安い。でもちゃんとできてくるか、ちょっと心配。

夕食は、近くのパン屋で3個程買って帰る。昼にゲロまずウニをふんぱつしてしまったので、これで我慢。ジュースとあわせて約200円。

それを部屋で食べた後、ほかにすることもないので就寝。だが明日はあのイースター島かと思うとなかなか眠れなかった。

モアイは僕を歓迎してくれるかなと、そんな事を思いながら静かに夜はふけていった。

 

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