旅日記55 パラグアイ編
Vol.1 「体験!密入国入門」 |
7月1日〜3日 午後6時ブエノスアイレス発のバスで、パラグアイのアスンシオンへ向かう。高速道路をひた走るバス。30$と格安なのに、食事やドリンクまで付いている。バスは少しボロくかなりゆれたが、トイレも車内にあり、シートもまずまず、これなら文句無しだ。 しばらく眠り、夜中にふと目が覚めた。外を見るとバスはパンパの大草原の中を走っている。周りには灯り1つなく、星空が奇麗だ。 またうとうとして眠りの中に吸い込まれる。そして何やら騒がしいので目をさますと、バスの中に物売りが沢山やってきていた。 またかと思って、再び眠ろうとする。しかしいつもと少し様子が違う。というのは、その中に両替屋が沢山いるのだ。国境が近いのかと思いながら様子を伺っていると、彼らはしばらくしてぞろぞろと降りてゆき、バスはまたパンパの草原の中を走り出した。そしてしばらく行くと町が見えてきた。 しかしそこで見たものは、、、いたるところで見覚えがある旗がなびいている、、、、、それは、パラグアイの国旗!あれ?俺イミグレーション通ってないぞ。 寝ぼけながら状況を確認する。うーんと、ええっと、、、え?やっちまったか、、、、? どうやら寝ている間に国境をすぎてしまったらしい。入国スタンプは当然無く、いわば密入国の形でパラグアイに入ってしまったようだ。 しかし不思議とどうしようという不安より、ああ、こんなに簡単に密入国ってできるんだと、変に感心している自分に気付き可笑しかった。 まあやっちまったものはしょうがない、なんとかなるだろうとまた眠りにつく。
正午頃、バスはアスンシオンのバスターミナルへ着く。ここまで約18時間。そこから30円のローカルバスに乗り換え30分、セントロを目指す。 アルゼンチンの宿で拝借してきた、誰かの置き忘れのガイドブックの切れ端にあった、ホテル内山田へ行く。 1番安いシングルで15$。少し高い気がしたが、和食の朝食が付くという言葉にひかれ1泊だけチェックインする。 部屋に荷物を置き町へでる。しかし人がほとんどいない。店も全部閉まっている。そうか、今日は日曜日だったんだ。 繁華街へと足を向けるが、結果は同じ。パラグアイではバッタもんのブランド品が多いと聞いていたので、安い靴を買おうと思っていたのだが、当てがはずれる。ああ、まだこのものすごい臭いをはなつ、殺人的シューズをはき続けなければならないのかと、がっくりと肩を落とす。 1軒レストランが開いていたので入ってみることにした。肉とニョッキのランチ、そしてコーラで約3$。 何もないことで有名なパラグアイ。しかも町もゴーストタウン状態ではすることがない。しかたなくパラグアイ川でも見に行こうかと歩いてゆくが、汚いただの川だった。
夜になってお腹がすいたので、今度は繁華街と逆の方へ向かって歩いてゆく。するとアジア人街らしき小さな一角があった。 1件にぎわっている中国人の食堂があったので入ってみる。ここでアサード(骨付き牛リブ肉)とコーラを頼む。これがめちゃ美味だった。これで10000グアラニ、約300円。
翌日7時に起きて、待望の和朝食をいただく。白いご飯に味噌汁、味付けのりに焼き魚。ああ幸せ。お代わりは生卵のぶっかけご飯。うーん日本人でよかった。 ホテルをチェックアウトし、10番のローカルバスへバスターミナルへ、そして9時半のバスでアルゼンチン、ブラジルとの国境の町、シウダーデルエステへ向かう。所要時間6時間あまり、料金35000グアラニ、約1000円。 シウダーデルエステのターミナルから、すこし離れたローカルバス乗り場でバスを待つ。ブラジル側のフォスドイグアス行きは本数も多かったが、ここは一旦アルゼンチンに戻ろうと、プエルトイグアス行きのバスを待つ。 バス停でぼーっと立っていると、パラグアイ人のおっちゃんが、僕のギターを指差し、弾くのかと聞くので、そうだと答えると弾いてくれと言われる。 リクエストに答えて、日本の歌を歌っていると、ものめずらしのか、子供づれのおばさんやら、なにやらがごっそり集まってきた。 歌い終わって、もっと歌ってくれというようなことを言っている。しかしここでバスが来てしまった。皆に別れを告げバスに乗り込むと、皆笑顔で手を振ってくれた。 プエルトイグアス行きのバスが、6000グアラニ、約190円。 さてここで問題の国境だ。バスはまずブラジルとの国境、友情の橋を通過する。しかしパラグアイの出国のイミグレーションは素通り。どうやらイミグレを通るのは入国のみで良いようだ。 それから続いてブラジル側のイミグレ。しかしこのバスはアルゼンチン行きなので、これまた素通り。第一関門に続いて第二関門も突破。 それから走ること30分。こんどはアルゼンチンとの国境、タンクレードネベス橋を通ってプエルトイグアスへ。 イミグレの前でバスは止まり、スタンプの必要な人は降りてイミグレへというようなことを言われる。しかし僕はパラグアイの宿で、この3都市間は、日帰りの観光目的なら出入国のスタンプがいらないことを聞いて知っていたので、日帰りでーすといった顔をしてそのままバスに留まる。 しかしさすがはアルゼンチン、国境の係り員が2人、さっそうとバスに乗り込んできて、全員のパスポートをチェックしはじめた。 僕の番になり、スタンプは?と聞かれたので、日帰りですと言うとそのままパスポートを返してくれ、次の人へ行ってしまった。そして全員のチェックを終えると、係り員はバスを降りて行き、再びバスは走り出す。僕は大きな荷物を抱えていたので、どう見ても日帰りのはずはないのだが、そこはいいかげんな南米、なんとかなってしまった。やった!これで無事アルゼンチンへ帰還!密入国状態解除!!! プエルトイグアスの町はずれの安宿へ行く。しかし聞いていた値段より高く、1泊15$と言われる。ディスカウントを試みるが、改装したばかりとかで駄目。しかたなく明日は荷物だけ預ってもらうことにし、1泊だけチェックインした。2泊予定していただけに残念だ。きっとブラジルが早く僕に来て欲しいのだろうと、そう解釈することにする。 アルゼンチンへ戻りほっとしたのか、疲れがでたので、そのまま就寝。 明日はいよいよ世界1と言われるイグアスの滝だ。 |