旅日記61 デンマーク編
「美しき暮れのコペンハーゲン」

7月14日

 朝ふと目を覚まし時計を見る。すると10時55分をさしている。今日はデンマークへの移動日で11時18分の電車にのることになっている。やばい!慌てて飛び起き荷物を持って部屋を出る。外は今日も雨。しかも真っ暗。それにしても異常に眠い。時計をはめなおし、さあこれから猛ダッシュで、、、あれ?時計を見ると朝の4時半。前にどっかでやったなこのパターン。

ブラジルのリオデジャネイロで目覚まし時計を盗られてしまったので、本当に寝過ごしてはと、そのまま起きていることにする。7時過ぎになって、他にすることもないので、ストックホルム駅へ行き列車を待つことにした。

今日乗る列車はX2000という、スウェーデンの新幹線だ。時間になって列車がプラットホームに到着したので、予約した席に乗り込む。すると偶然相席の人も日本人だった。彼の名前は矢部君。今理系の博士課程の1年生で、休みをとってドイツを中心にヨーロッパを1ヶ月旅しているとのこと。すっかり話がはずみ、いっしょに僕の予定していたコペンハーゲンの宿に行くことになった。

列車がコペンハーゲンに到着したのは、午後5時前。コペンハーゲンはすっかり晴れていて、途中通った、開通したばかりの国境の橋から見た青い空と海が綺麗だった。

駅で両替をすませた後、中央駅から20分程歩いて地下鉄Norreport駅近くのホテルにチェックインする。ここはドミトリー1泊115デンマーククローネ、約1700円。部屋に荷物を置いた後、街をぶらつく。それにしても北欧の物価の高さは異常だ。ジュース1本12クローネ、160円もする。その他も皆日本以上だ。

ストロイエという歩行者天国を歩いていくと、あちこちでビックバンドがJAZZを演奏している。さらに行くと港の近くに出ていい雰囲気だったので、そこのオープンバーで、カールスバーグの生ビールとフレンチフライを食べる。これで1人52クローネ、780円。

時計はもうすぐ8時になろうとしていたが、コペンハーゲンの夏も夜10時くらいまで明るいので、そのまま海沿いに歩いて、アンデルセン童話で知られる人魚の像を見に行った。近くは遊歩道になっており、夜9時近いというのに、家族連れでにぎわっている。

人魚のまわりには人だかりができ、皆、記念撮影をしていたが、童話と同じように人魚の顔もどこか哀しげだった。

再び町をぶらついて宿へ戻る。日が少しずつ赤くなり、味のある古きヨーロッパの街並みにうまく調和してとても美しい。夕暮れのコペンハーゲンは何と美しいのだろうと思わずため息が漏れる。

また帰りに通ったアメリエンボーやローゼンボーといった宮殿が夕日に赤く照らされ、これまた美しかった。

何か歌いたい気分になり、宿にギターを取りに戻ると、コンゲンスニュートーウ広場へ出かける。ここで何曲か歌っていると、君の歌は最高だ!と白人青年が、おそらくポケットに入っているありったけのコインを入れてくれた。話してみると彼はアイルランドから来たとのことで、僕の歌っていたU2の曲がとても好きな歌なんだと言っていた。

 夜も11時になると、暗くなってきたので、矢部君と一緒に宿へ戻る。ここでも歌ったし、物価も高く宿にキッチンもないので、明日の朝移動することに。

ただ歩いているだけで楽しくなる美しき町コペンハーゲン。次回来るときは、もう少し財布の中身に余裕がある時にしよう。

 

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