麻雀ビギナーズ講座

あばうと麻雀・ABOUT MAHJONG ESSAYS

第八回 ”代表的な手役(4)”
「翻牌」


翻牌(ファンパイ)について

ご存知かとは思いますが、麻雀には字牌(じはい、ツウパイ)と呼ばれる牌が7種類あります。これらはそれぞれ、風牌(かぜはい、フォンパイ〜東、南、西、北がこれにあたる)と三元牌(さんげんぱい〜白、発、中がこれにあたる)という2つのカテゴリに分けられます。

平和やタンヤオといった役を指向して手牌を組み立てる場合、これらの字牌は不要です。加えて、平和やタンヤオといった役に向かう機会というのは、実戦の麻雀ではかなり頻繁に登場するため、自然とこうした字牌が邪魔もの扱いされることが多くなります。実際、皆さんの中でも、配牌を手にしたとき字牌がバラで4、5枚混じっているのを見た瞬間、それだけでゲンナリしてしまったという経験をお持ちの方は少なくないと思います。今回は、筆者よろしく何かと邪魔もの扱いされがちな字牌の役、翻牌役について述べていきます。
そもそも、翻牌というのは、同じものを3つ揃えると(同じもので1面子作ると)1翻(1役)得られる字牌のことです。そして、この翻牌を3つ揃えてできた役が翻牌役ということになります。そして、4人いるプレイヤーの各人にとって、常時すべての字牌が翻牌とはなりえません。それでは、どういった字牌が翻牌となるのでしょう。麻雀覚えたての頃、「風」がどうのこうのと周りに言われて、混乱した人も結構いると思います。筆者もその一人だったので、復習をかねて、まとめてみましょう。

まず三元牌の白、発、中ですが、この三牌は常に翻牌となるありがたい(わかりやすい?)牌です。問題なのは風牌の方ですが、ここで麻雀の基本ルールを思い出してみましょう。通常、半荘は東場と南場を一回りして終了となります。これが、いわゆる「場風」に関係してきます。また、プレイヤー各人は親を東家として、南家、西家、北家と、風牌に対応した荘家の名称を冠することになります。そして、このとき自分に与えられている荘家の名称が、いわゆる「自風」に反映されることになるのです。
具体例を挙げますと、場が東場で自分が西家の時、そのプレイヤーは風牌の「東」と「西」を翻牌として使うことができます。場が南場で自分が北家の時は、もちろん「南」と「北」がその人の翻牌ということになります。また、東場で東家の時は「東」が、南場で南家の時は「南」が、それぞれ「連風牌」(レンフォンパイ)となり、通常の翻牌と同じように3つ集めると、2翻役に相当する翻牌となります。「ダブ東」とか「ダブ南」というのは、要するにこの連風牌を使った役のこと、あるいは、その連風牌そのものを指すものです。
翻牌役は単独では1〜2翻しか得られませんが、対々(トイトイ)や混一(ホンイツ)といった手役とうまく組み合わせると、満貫やハネ満を作るときに、たいへん重宝します。逆にいえば、翻牌をうまく組み込まなければ対々や混一で高得点を狙うのは難しいでしょう。
そして、翻牌役の魅力は、何よりもスピードとお手軽さです。平和やタンヤオあるいは混一といった代表的な手役は、面前か否かに関わらず、手牌全体が何らかの条件(色、待ちの形など)を満たしていなければ成立しない「全体手役」です。ですが、翻牌役は、とにかく翻牌が一面子、手牌に組み込まれていれば後は何も制約がないのです。オーラストップ目などの状況下で速攻を決めたいときは、力強い武器となるでしょう。

初心者ほど、バラバラな配牌をもらった時には、漫然と字牌から切り出していくものですが、1枚だけしかない翻牌の字牌でも、もう1枚引いて2枚になれば、ポンに対応できて、和了りはぐっと近づくはずです。また、自分に手が入ってないときは、往々にして他人に好牌が固まっているものです。そんな相手がいずれかの翻牌をポンしたがっているとしたら、簡単に鳴かせる手はありません。どうせ自分の手が遅いのなら、他人の手も遅らせてやる方がゲーム展開の上で自分に有利なのは言うまでもありません。
有名な某アマ団体では、決まりとして第一打に字牌を切らせない(切るとペナルティが与えられ、和了り放棄)そうです。まあそこまではせずとも、攻撃と防御の両面を考えれば、字牌を安易に扱わない方がよさそうです。とってつけたようですが、麻雀における攻撃と防御の両面を改めて考えさせてくれるという点に関しても、翻牌役は重要な位置をしめています。

蛇足ながら、自分にとって不要なオタ風(翻牌ではない風牌)でも、他の3人の内だれかにとっては必要な翻牌であるという麻雀のシステムが、万年オタ風状態の筆者としては何となく好きです。筆者から見て、翻牌な人は結構いるんですけどね。


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